厚生年金では調査の種類がいくつかありますが、今回はその調査対象についてまとめて解説したいと思います。

厚生年金の加入状況で不正があり、かつ強制徴収の対象となるとかなり危険で、正常な経営もできなくなるほど保険料が発生したりすることもあります。

 

厚生年金の調査対象となる段階

 

厚生年金の調査についてですが、いくつか特定の段階で調査対象となるといえます。

 

厚生年金の不正な未加入状態での調査

  • 新規適用の調査
  • 厚生年金保険・健康保険の加入状況についてという文書が届く
  • あとは突然の立入調査もありえる

 

新規適用の翌年に行われる総合調査

  • 社会保険の運用が正しく行われているかの確認や調査

 

定時決定時調査

  • 算定基礎届提出の後に調査対象となる

 

定期調査

  • 数年おきに特定の業種に対して行われる調査

 

従業員などからの通報による臨時調査

  • 従業員から年金事務所への通報などによる調査
  • 労働問題よりも意外とすぐに調査に動くことも多い

 

大きく分けるとこの5つのパターンに分けられるといっても良いかと思います。

 

定時決定時調査とは?

 

長年経営している人でも定時決定時調査というのは耳慣れないことかもしれません。

毎年7月に算定基礎届の提出を企業は行いますが、このすぐ前の時期(6月など)に調査文書が届くのが定時決定時調査となります。

対象企業はランダム選定ですが、5年ごとなどにすべての企業に調査がいくようになっているとされています。

この定時決定時調査というのも従来の調査内容とそう変わりはありませんが、

 

  • 従業員の社会保険加入状況のチェック(特にパート、アルバイトなど)
  • 標準報酬月額が正しく届出されているかどうか?
  • 社会保険の加入日が正しいかどうか?
  • 給与から天引きする社会保険控除額が正しいかどうか?

 

というようなところをメインに調査されるようになっています。

定時決定時調査は何か怪しいところがあるので来所通知を受けるということではありません。

ランダムにすべての企業が対象となるので、特に不正な社会保険の加入逃れなどをしていなければ問題ないことのほうが多いかと思います。

 

厚生年金の調査対象やチェック項目とは?

 

調査のタイミングとは別にどこの箇所の調査やチェックが入るのかも非常に重要です。

厚生年金の調査ではある程度調査対象になる項目というのは決まってくることが多いです。

 

  • 試用期間から正しく社会保険に加入させているかどうか?
  • 有期雇用(パート、契約社員など期間の定めのあるすべての雇用形態)労働者を法律通りに社会保険に加入させているかどうか?
  • 高齢者を法律通りに社会保険に加入させているかどうか?
  • 外国人労働者を法律通りに社会保険に加入させているかどうか?
  • 標準報酬月額が正しいかどうか?
  • 代表や役員の加入が法律通りに行われているかどうか?
  • 随時改定をしているかどうか?
  • 賞与の届出もしっかりと行われているかどうか?

 

これらの箇所は鉄板の調査対象となるといっても良いでしょう。

 

厚生年金の調査対象となりやすい業種とは?

 

上のように厚生年金では調査対象となりやすい項目があります。

つまり逆にいえば調査対象で違反が見つかりやすい業種は狙われやすいというようにいっても良いのです。

たとえば

 

  • 派遣を多数雇用する派遣業
  • パート、アルバイトの多い建設業、小売業、サービス業、ビルメンテナンス業

 

というのは昔からよく調査対象となる業種といっても良いです。

この他にも高齢者や外国人を雇用することの多い業種では厚生年金の調査対象となるというようなことは今後考えられます。

 

厚生年金の調査で不正が見つかったときにはどうなるのか?

 

調査というのも段階がさまざまありますが、不正が見つかったときにはすぐに罰則が適用されるということでもありません。

まずは不正が指摘された箇所の是正をしていくということになります。

ただし是正について時効にかかる2年前までから求められることも多いので、一気に保険料が発生してくることも多いです。

たとえばパートタイマーでも2年前から加入させないといけなかったというようなときには、人数分、かつ2年分ということで保険料の徴収額は膨らみます。

保険料がないというときには

 

  • 小切手、手形を書かされる
  • 銀行預金、売掛金の差押え
  • 不動産などの差押え

 

建設業などでは元請の請負代金の差押えを受けたというような企業もあり、信用問題になることもあります。

さらに社会保険料というのは民間の借金とは違い倒産しても逃れることができないこともあります。

最終的には社長個人の資産にも差押えなどが及ぶこともあるので注意しなければいけません。

 

厚生年金の調査と罰則の適用

 

不正の指摘をまだ無視していくというときには悪質と判断されてはじめて罰則の適用の可能性も出てきます。

罰則の内容ですが、

 

健康保険法第208条

事業主が、正当な理由がなくて次の各号のいずれかに該当するときは、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

1、被保険者の資格取得、喪失、報酬月額、賞与額に関する事項を保険者に届出せず、又は虚偽の届出をしたとき

3、保険料納付義務に違反して督促状に指定する期限までに保険料を納付しないとき

 

ということで懲役刑もあるということになります。

さらにプレス発表も行われて社名も公になることも多いのも注意が必要です。

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