日本の公的年金は賦課方式で積立方式になっていないと指摘されることがあります。

賦課方式が問題というようにニュースやテレビで言われることもあるのですが、賦課方式とはどのような制度でしょうか?

 

年金の賦課方式と積立方式の違いとは?

 

賦課方式と積立方式の違いですが、

 

賦課方式

  • 年金支給の財源をその時々の保険料収入から用意すること
  • そのため現役世代から年金世代へ仕送りしているようなイメージの方式となる
  • 現在の現役世代は将来の現役世代から年金を受けるようになる
  • 年単位で年金支給額と保険料の収支とを調整していく方式になる
  • つまり世代間扶養の方式となる

 

積立方式

  • 保険料を自分で現役世代の間に積み立てておき、老後に自分で受け取るような方式

 

というように最大の違いというのは要するに年金支給額を誰が負担するのかということになります。

 

年金の賦課方式と積立方式のメリットとデメリット

 

年金支給額を誰が負担するのかが違うとしてそれぞれメリットとデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?

 

積立方式のメリット

  • 少子高齢化など人口構成の変化でも年金支給額に影響が及びにくい
  • 世代間扶養でなく自分たちの世代の積立を受け取るので公平性は維持しやすい

 

積立方式のデメリット

  • インフレが起きれば年金の価値が下がってしまう
  • 年金原資の運用に失敗すれば年金支給額の減少に直結しやすい
  • 積立期間が賦課方式よりも長いので運用金額が大きくなり運用の失敗、成功の結果もそれぞれ大きくなってしまう

 

比較的若い人であれば貨幣価値は安定している時代を中心に生きているかもしれませんが、歴史を見れば一定のサイクルで貨幣価値というのは急激な変動を示しています。

特にお金余りといわれる時代、今後インフレが起きても不思議ではありません。

そのようなときに一見合理的と思われがちな積立方式ですが、これまで納付してきた保険料では急激に価値のない金額の年金しか支給されなくなるという大きなデメリットがあるというようにいえます。

次に賦課方式についてですが、これもメリットとデメリットとがあります。

 

賦課方式のメリット

  • インフレによる物価上昇などに対応しやすい
  • 人口が維持、あるいは増加していると年金システムが特に盤石になる

 

賦課方式のデメリット

  • 自分の積立分を自分が将来受け取るわけではないので世代間で不公平になりがち
  • 少子高齢化によって年金支給額が減少してしまう

 

テレビや週刊誌では悪者のようにいわれがちな賦課方式ですが、世代間扶養のためにそのときの価値に合った年金額を受けることができるというメリットがあります。

それぞれ見ていくとメリットとデメリットとは賦課方式と積立方式とで逆のようになっていることがわかります。

そして一般的に賦課方式なので少子高齢化が進む日本では適していないとされますが、積立方式でもデメリットがあるということがわかります。

つまり今後日本でも人口構成の変化とともにインフレが起きる可能性もかなり

高いといえます。

経済政策を見ていても何となくそう感じている人も多いかと思いますが、仮に積立方式にしてしまうと現在の現役世代の年金額も著しく減少してしまうということも起きるという意味になります。

世界の経済情勢も変化もときどき大きな変動が起きるようになってしまっている現代では賦課方式も一定の合理性があるというわけで、テレビなどでいわれるように賦課方式も万全ではないということがいえます。

 

なぜ年金は賦課方式から積立方式に移行したのか?

 

今では年金制度は賦課方式が当たり前と思われていますが、実は当初日本の年金制度というのは積立方式から始まったとされています。

それが途中で賦課方式に移行したわけですが、賦課方式に移行したには理由があります。

簡単にいえば積立方式では年金支給額を捻出できなかったからというようになるわけですが、特に日本経済が高度経済成長期に成長し、インフレになったことで積立方式では老後の生活費の十分な補填となる年金額にできなかったことが理由としてあります。

大卒初任給でも1968年ごろは3万程度で、それから何倍にもなっています。

3万の当時に年金を支払っていた人がそのままの金額で年金を受ければ到底老後の生活は成立しません。

ここでは特にインフレに強い賦課方式が日本では特に必要だったといえるでしょう。

 

年金は破綻する?将来はもらえない?

 

最近は特に週刊誌やテレビ番組の影響もあるのか年金不信が根強くあります。

しかし賦課方式なおでもそうですが、年金というのはかなり緻密に設計されていてそう簡単に破綻などはしません。

おそらく年金が本当に破綻するようであれば日本にある保険、金融、一般の企業などもかなりの割合でなくなるか倒産に追い込まれることでしょう。

日本の年金というのは

 

  • 年金支給に税金も投入するシステムになっている
  • 世代間扶養なために収支を毎年のように合わせるようになっていること
  • 改定、マクロ経済スライドによる調整も行われていること
  • ニュースでいうような年金の運用の赤字というのは実際には何年に1回というペースでしか起きていなくてトータルは黒字であること
  • 国税庁との連携強化、マイナンバー導入によって納付率が上がりつつあること

 

え?国民年金は破綻しない?その意外な理由とは?

 

今後消費税のアップなどもありますし、年金原資のおよそ半分は税金です。

年金破綻という安易な意見に染まらずに、毎日買い物で消費税を支払っているのに年金を受けないのはかなり人生では損をしているというように知っておいて欲しいと思います。

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