年金の支給額についてはマクロ経済スライドによってその金額が改定される仕組みがあります。

このマクロ経済スライドというのは年金の給付額を適切に抑制し、財政の均衡を図るものとなります。

 

マクロ経済スライドの制度趣旨や目的

 

マクロ経済スライドですが、

 

  • 賃金の変動
  • 物価の変動
  • 被保険者数の減少
  • 平均余命の伸び

 

というような年金財政にマイナスとなる要素を調整率として改定基準に加えるという制度になります。

これによって年金財政の均衡を図るというのがその目的となります。

 

マクロ経済スライドによる年金給付額の計算方法

 

マクロ経済スライドによる年金給付額の計算方法ですが、

 

新規裁定者

  • 名目手取り賃金変動率×調整率×前年度の特別調整率

 

既裁定者

  • 物価変動率×調整率×前年度の特別調整率

 

というように裁定時期によって計算方法が異なるようにされています。

この式で出てくる率を算出率といいます。

さらに名目手取り賃金変動率や物価変動率は1を下回るのかどうかなどで条件分けされて支給額の計算方法も変わってきます。

 

調整率とは?

 

上の式で出てくる調整率ですが、

 

  • 被保険者数の減少率(公的年金被保険者総数変動率×0.997により算出)
  • 平均余命の伸び率

 

とを合わせた率となります。

ちなみに2017年度の調整率は0.995とされています。

 

特別調整率とは?

 

次に特別調整率ですが、調整率×前年度の特別調整率のうちその年度の改定率の改定において給付額に反映できなかった部分(未調整部分)に相当する率となります。

特別調整率というのは

 

名目手取り賃金変動率(物価変動率)×調整率÷算出率

 

というように算出します。

特別調整率は、翌年度に前年度の特別調整率となり、翌年度の改定において給付額に反映されます。

このように未調整分を特別調整率として翌年度にキャリーオーバーしていくようになります。

調整率×前年度の特別調整率がその年度の改定ですべて反映されたときにはキャリーオーバーは発生しません。

 

賃金や物価が上昇したときの算出率

 

まず名目手取り賃金変動率や物価が上昇したときですが、この場合はそのまま支給額に加味すれば給付額が伸びることになります。

そのため上で紹介した式の通りに

 

賃金変動率(物価変動率)×調整率×前年度の特別調整率

 

というように計算し、調整率と前年度の特別調整率をも加味して支給額を決定することになります。

 

算出率が1を下回るときの計算方法

 

では次に算出率辞退が1を下回るときの計算方法ですが、この場合には算出率を1にとします。

つまり算出率の下限は1ということになっています。

 

賃金や物価が下降したときの算出率

 

では最後に賃金や物価変動率が1を下回るときの計算方法ですが、この場合には算出率を改定基準とせずに、

 

  • 名目手取り賃金変動率
  • 物価変動率

 

を改定基準とします。

つまり賃金や物価が下降していればマクロ経済スライドを適用させないで、原則的な改定にとどめるというようになっています。

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