厚生年金では70歳未満まで加入することとなっていますし、またそれ以上でも任意加入するという制度もあります。

しかし年金の支給開始年齢は原則でも65歳となっていて、年金の支給開始を超えてもまだ厚生年金をかけていくという人も少なくありません。

すでに年金を受給していれば支給開始以降の厚生年金の加入期間は反映されるのかというのもよく質問されることですが、これも問題なく反映され、退職時改定という制度があります。

 

厚生年金の退職時改定

 

この退職時改定は厚生年金法第43条3項に定められた制度となっています。

厚生年金の被保険者である受給権者がその被保険者の資格を喪失し、かつ被保険者となることもなく資格喪失日から1ヶ月を経過したときに適用されます。

この場合には、その被保険者の資格喪失をした月前における被保険者であった期間を年金額の計算の基礎とするものとし、資格喪失した日から1ヶ月を経過した日の属する月から年金額が改定されます。

年金額を改定する1ヶ月を経過した日の起算日は

 

  • 事業所または船舶に使用されなくなった日
  • 任意適用事業所の適用取消しの認可を受けた日
  • 任意単独被保険者の資格喪失の認可を受けた日
  • 適用除外事由に該当した日
  • 70歳に達した日

 

などとなります。

 

厚生年金の退職時改定のサンプル

 

では退職時改定がどのような時点で行われるのかサンプルで見ていきましょう。

 

  • 2018年6月に65歳に達した(受給権の発生)
  • 5月以前の期間を基礎とした年金額の支給が開始される
  • 2018年9月に退職して厚生年金の資格喪失
  • 1ヶ月経過した10月に退職時改定が行われる
  • 10月からは6~8月までの分も反映して退職時改定された年金額が支給される

 

これを見るとわかりますように6月から9月までは2018年5月以前のデータでの年金額の支給となります。

つまり退職時改定が一定期間ごとに行われますが、それまでは前回の改定時の年金額が支給されるということになります。

毎月のように改定が行われれば年金のロスもより少なくなりますが、何年かごとの改定と基本的になりますのでこの点には注意しておいて欲しいと思います。

 

70歳以上も働き厚生年金に加入しても退職時改定が行われるのか?

 

厚生年金は70歳未満まで加入というのが原則です。

しかしそれ以降も厚生年金に加入していくということもあるわけですが、この場合も退職時改定は行われます。

 

  • 65歳に達したとき(年金支給開始年齢の到達時)
  • 70歳に達したとき

 

その後70歳以上となり退職した時点でも退職時改定の対象となります。

 

退職時改定でかえって年金額が減ることはあるのか?

 

厚生年金の支給額の計算方法ですが、

 

平均標準報酬月額 × 7.125/1000 × 被保険者期間の月数

 

などと計算します。

ここで頭の良い人は気付くのですが、高齢になって長く働くことで給与額が低い時期が出てきます。

平均標準報酬月額というのは文字通りに平均なわけで、このように給与額の低い時期が長くなるとこの金額が低くなることで結果として年金額げ減ってしまうのではというように思うこともあります。

ただ上の式をもう一度見て欲しいのですが、最後に被保険者期間の月数もかけるようになります。

そのため高齢で厚生年金の加入期間が増えたとしてもこの被保険者期間の月数が増えるので結果として年金額が減るということはありません。

 

退職時改定と年金受給額の損得

 

退職時改定を気にするという人の場合には、在職老齢年金の適用の可能性もかなり高いと思います。

これによって高齢でも収入があることで年金額の調整が行われることもあるわけですが、実際には年金額だけでいえば65歳で(細かくいえば人によって多少変わります)退職といったノーマルな年齢まで働くというほうが良いといえます。

退職時改定というのも改定時期が数年遅れるので、その分の損も出てくるでしょう。

しかし

 

  • 年金額だけでなく定年後も働くことで給与所得も入ってくる
  • 老後の生活の精神的な安定感も得ることができる

 

というようになり、一般的な年金暮らしの人よりも金銭以外にも充実した生活を送れることになります。

年金受給額だけでいえば65歳の年金開始時期に退職するというようなほうが良いと思いますが、

 

  • 年金受給額が少なく老後の生活費が十分に補填できない
  • 給与所得でも年金額を補いたい

 

年収別の厚生年金の年金額を紹介!老後の生活費不足額も

 

というように考えるときには退職時改定も含めて年金額とともに給与額でも生活していくというように考えるべきといえるでしょう。

 

在職老齢年金の早見表!あなたはいくらの支給停止となる?

 

どうしても年金を調整、停止されたくないというときにはこのページで給与額がいくらまででは調整対象とならないのか確認しておいて働くようにしていきましょう。

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