年金を受けるということにおいて基本権と支分権という概念があります。

この2つの違いはかなりわかりにくいかと思いますが、今回は年金を受ける権利についてできるだけわかりやすく解説したいと思います。

 

年金の基本権と支分権の違いとは?

 

年金の基本権や支分権については国民年金法第18条などとも関係してきます。

 

年金の基本権

  • 年金の給付を受けられるという抽象的なおおもとの権利を指す
  • 年金の裁定請求ではこの基本権の有無について確認する

 

年金の支分権

  • 基本権に基づいて一定の支払期ごとに具体的な支払いを受ける権利を支分権という

 

支分権というのは偶数月に振り込まれる年金を実際に受ける権利といえます。

 

年金の消滅時効と基本権、支分権

 

年金給付を受ける権利というのは5年で時効になってしまいます。

時効というのは年金に関していえば年金機構、国が時効の成立を主張(援用)して完成します。

この国の権利の時効による消滅というのは会計法第31条が本来適用されますが、これによれば援用をしなくても時効は成立します。

しかし年金の基本権についてはこの会計法第31条を適用しないとされていて、さらに時効の援用も国は行っていません。

ここから年金を受けるという基本権に関しては時効が適用されないというようになります。

一方の支分権というのは偶数月に具体的に振り込まれる年金を受給する権利を指します。

この支分権には5年の時効が適用されますので、会計法第31条が適用され5年を経過すれば援用しなくても消滅するとされています。

他にも基本権や支分権というのは

 

  • 障害年金の遡及請求
  • 遺族年金の遡及請求

 

というような過去にさかのぼる遡及請求でもよく関係してきます。

 

障害年金の支給停止と基本権、支分権

 

障害年金では支給要件に障害等級といった状態が必要となります。

しかし支給が開始されてもその後に障害の状態が軽くなったりして障害年金の要件を満たさないようになります。

このときには支給停止となりますが、基本権はもちろん支分権も消滅するわけではありません。

再び障害の状態が要件を満たすようになれば支給が再開されるからですが、死亡するというようなときにはじめて支分権も含めて消滅するというようになります。

 

支分権と5年の時効の例外

 

ただし支分権と時効については過去の政策において例外もありました。

過去2007年あたりに消えた年金問題がニュースでも大きく取り上げられた時期がありました。

5000万件ともいわれる誰のものかわからない年金記録が出てきたわけですが、これらについて誰のものか判明したときには5年以上前のものであっても時効にならないで給付遅延特別加算金を加算した上で全額が支給されるという措置になりました。

この消えた年金問題では時効で影響を受けるはずの支分権についても特例として消滅しないというように対処されました。

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