遺族年金というのは一家の大黒柱が亡くなったときの遺族のその後の生活費のための制度でもあります。

遺族からすればどの程度遺族年金の金額をもらえるのかというのはその後の生活に直結してくるので非常に気になるところかと思いますが、今回は遺族年金の金額についてよくある質問をまとめて解説したいと思います。

 

遺族年金と遺族の範囲

 

遺族年金では大きく分ければ、被保険者の要件、そして遺族の要件とが必要となります。

どちらかが欠けても受給することはできません。

 

遺族基礎年金(国民年金)

  • 子のある配偶者

 

遺族厚生年金

  • 第1順位 配偶者、子
  • 第2順位 父母
  • 第3順位 孫
  • 第4順位 祖父母

 

ここでいくつか注意して欲しいこともあるのですが、

 

  • 遺族基礎年金は子のない配偶者は受給できないこと
  • 遺族厚生年金は最も先順位の人しか受給できないこと
  • 遺族年金には転給制度はないので受給権者が受給権を失うと後の順位の人が受給することもないこと

 

このあたりは特に誤解も多いので押さえておいて欲しいポイントとなります。

 

遺族厚生年金と遺族の範囲!6つのポイントを解説

 

遺族年金と遺族の年齢要件

 

遺族年金では受給権の判断、あるいはいつまで受給できるのかということを判断するときに非常に重要となってくるのが年齢要件となります。

 

妻の年齢要件

  • 妻には年齢要件はない

 

子と孫の年齢要件

  • 18歳の年度末までの間にあること
  • または20歳未満で障害等級1級か2級の状態にあること
  • かつ婚姻をしていないこと

 

夫、父母、祖父母の年齢要件

  • 55歳以上であること
  • ただし60歳に達するまでは支給停止となる

 

この中でも特に子の要件は重要です。

子は18歳、20歳で失権してしまいますので、遺族基礎年金も子がこの年齢に達するまでの有期年金となるということです。

 

遺族基礎年金の受給額はいくらくらい?

 

ではまず国民年金の遺族基礎年金を受給できるとすればどの程度の金額となるでしょうか?

 

  • 遺族基礎年金の基本額 780900円×改定率
  • 第2子までの加算額  224700円×改定率
  • 第3子以降の加算額  74900円×改定率

 

改定率というのはさほど気にするほどの割合でもないので、上の金額ほどにおよそなるというようにイメージしてもらって良いと思います。

たとえば子供が1人いる配偶者であれば

 

780900円 + 224700円

 

というような受給額となります。

 

遺族厚生年金の受給額はいくらくらい?

 

では遺族厚生年期の受給額はどの程度になるでしょうか?

遺族基礎年金のように単純な計算方法ではなく複雑になっていますが、

 

報酬比例の年金額 × 3/4

 

というような計算式となります。

 

  • 短期要件のとき 障害厚生年金×3/4に相当する
  • 長期要件のとき 老齢厚生年金×3/4に相当する

 

というようになります。

短期要件というのは会社員として厚生年金に加入している期間中に死亡するときのイメージで、長期要件というのは定年後などすでに25年以上の年金加入期間がある人が死亡するようなときのイメージとなります。

 

遺族厚生年金の短期要件と長期要件!受給額はどっちが有利?

 

短期要件と長期要件についてこのページで詳しく解説していますが、専門的なところまで知りたい人は目を通しておいて欲しいと思います。

 

遺族厚生年金の支給額と報酬比例部分

 

ここで難しいのは報酬比例部分という箇所になります。

 

平均標準報酬額 × 5.481/1000(給付乗率) × 被保険者期間の月数

 

このような式で報酬比例部分は計算するのですが、これを見てもよくわからない人のほうが多いかもしれません。

この式のポイントですが、

 

  • 厚生年金加入中の給与や賞与額の平均が高い人が年金額も多くなる
  • 同時に厚生年金の加入期間の長い人ほどやはり年金額も多くなる

 

ということがいえます。

 

年収別の遺族厚生年金の受給額の目安

 

ここまでの式を見てもよくわからないかと思いますし、また専門家でもなければそこまで理解する必要性もないかもしれません。

そのためできるだけ遺族厚生年金の受給額をわかりやすくするために年収別の受給額の表を作成してみます。

 

 

これは遺族厚生年金の金額だけをシュミレーションしたものなので、遺族基礎年金も同時に受給できるときには合計した金額となります。

遺族厚生年金は3/4というように計算されますので、かなり高年収の人でもその遺族厚生年金はそこまで高額にならないようになっているのがわかります。

 

遺族年金と自分の年金

 

遺族年金について意外と金額が少ないと考える人も多いかもしれませんが、忘れてはいけないのは自分の年金も要件を満たせば受けることができるということです。

 

  • 配偶者が厚生年金加入者でその扶養にあれば国民年金を受給できる
  • 自身も厚生年金加入者であれば併給調整を受ける

 

自身は国民年金であれば遺族年金と同時に受給できますが、自身も厚生年金加入者であれば

 

  • 優先的に自分の老齢厚生年金が支給される
  • 遺族厚生年金は自分の老齢厚生年金の分だけ併給調整される

 

というようになります。

 

遺族年金の平均額はどの程度?

 

ここで気になるのは遺族年金の平均額はどの程度なのかということかもしれません。

平均額を知ってもあまり意味はないという人もいるかもしれませんが、遺族年金の平均額のデータというのは実はないようです。

そこで推定していきますが、根拠となるデータは2018年の老齢年金の平均額です。

これによると

 

  • 国民年金 5.5万
  • 厚生年金 14.7万

 

というような金額となっています。

そのため遺族年金の平均額を推定しますと

 

14.7万 × 3/4 = 11万

 

ほどとなることがわかります。

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