国民年金保険料についてはいくつかの免除制度があります。

所得や家族の状況によっても適用かどうかは変わるのですが、特に退職したり保険料の支払いがきつくなるときには該当していないかチェックをしておきましょう。

 

国民年金の法定免除

 

国民年金法第89条における免除で、

 

  • 障害基礎年金、障害厚生年金(障害等級が1、2級に該当するときに限る)の受給権があるとき
  • 生活保護法による生活扶助、ハンセン病問題の解決の促進に関する法律による援護を受けるとき

 

などがこの法定免除の対象となります。

保険料についてはその全額が免除となります。

 

国民年金の免除や猶予と所得

 

ここからの免除や猶予では所得という概念が申請の条件となります。

収入とどう違うのかということですが、簡単にいえば給与や報酬から経費を引いた金額を所得といいます。

収入は給与や報酬というものになり、要するに企業でいえば

 

  • 収入は売上を指す
  • 所得とは経費を引いた利益を指す

 

というように考えてもらうと良いと思います。

まず個人事業主など確定申告をしていれば所得を見るのは簡単で、確定申告書の所得の合計の欄の数字を見ればすぐにわかります。

ちなみにこの数字には健康保険料や国民年金保険料など社会保険料も考慮される前の数字です。

純粋に事業としての利益で免除対象かどうかを見るというようになります。

さらにちなみにですが、この所得金額は国民健康保険料の保険料の算出にも使用されています。

つまりこの所得金額というのは国民年金だけでなくその他の社会保険料でも算出基礎となる重要な数字というように考えると良いでしょう。

一方で給与をもらう会社員の場合には所得の計算方法が決まっています。

 

  • 収入が180万以下       収入金額 × 40%(65万円に満たない場合には65万円となる)
  • 180万円超 360万円以下    収入金額 × 30% + 18万円
  • 360万円超 660万円以下    収入金額 × 20% + 54万円
  • 660万円超 1,000万円以下    収入金額 × 10% + 120万円
  • 1,000万円超 1,500万円以下 収入金額 × 5% + 170万円
  • 1,500万円超        245万円(上限)

 

というように計算式に当てはめて所得を出すようになっています。

360万以上では別の式がありますが、免除ということで省略しています。

 

国民年金の全額免除と一部免除

 

全額免除、一部免除は国民年金法第90条に定めのある制度です。

 

  • 全額免除
  • 4分の3免除
  • 半額免除
  • 4分の1免除

 

というように多段階に分かれた免除制度となっています。

この免除に該当するかどうかは基本的には本人、世帯主、配偶者の前年所得によって決められます。

 

国民年金の全額免除の該当条件

 

結論からいいますと全額免除に該当するのはかなり難しいといって良いです。

というのも本人だけでなく世帯主、配偶者のすべてが以下の条件に該当しなければいけないからです。

 

  • 前年所得(1~6月分の免除については前々年所得)が(扶養親族+1)×35万+22万以下であるとき
  • 生活保護の生活扶助以外の扶助を受けるとき
  • 障害者又は寡婦であって、前年所得が125万以下であるとき

 

これらの条件のうちどれかに世帯主、本人、配偶者すべてが該当しなければ全額免除とはなりません。

たとえばよくあるのが無職で親などと同居していれば、その親の所得があれば全額免除とはならないということです。

この場合、仮に本人の所得がなくても半額免除が限界となることが多いはずです。

 

国民年金の一部免除の該当条件

 

一部免除も基本的には本人、世帯主、配偶者の前年所得が条件に該当するかでポイントとなってきます。

一部免除では本人と、世帯主または配偶者のどちらかが以下の前年所得以下でないといけないとされています。

 

  • 4分の3免除 78万以下
  • 半額免除   118万以下
  • 4分の1免除 158万以下

 

ただしそれぞれの金額に扶養親族等があれば1人につき38万を加えた金額となります。

 

国民年金の学生納付特例

 

国民年金は20歳から加入となりますが、まだその年齢では大学生といったことも多いかと思います。

そのような人を対象に学生納付特例という制度もあります。

この制度では該当すれば保険料は全額免除となります。

この免除では親の所得の条件はありませんので、本人の所得条件だけ満たせば適用されます。

つまり前年所得(1~3月までは前々年所得)が次の金額以下であれば良いとなります。

 

118万+(扶養親族等の数)×38万

 

半額免除と算出式は同様となっています。

この学生納付特例では注意点もあって

 

  • 受給資格期間には反映される
  • しかし将来の老齢基礎年金の金額には反映されない

 

というようになります。

国民年金の受給資格には10年以上保険料の支払いが必要という条件がありますが、この条件を考えるときに学生納付特例は反映されます。

しかし保険料は支払っていないので免除を受けている期間があっても年金額は増えないということです。

将来的に追納などを行うことで年金額に反映することはできるというようになります。

 

国民年金の若年者納付猶予

 

フリーター等を想定した国民年金の免除制度がこの若年者納付猶予制度です。

50歳未満で所得条件を満たすことで適用を受けることができます。

ただし2025年6月までの時限措置ということで、その後は制度自体が廃止となる予定となっています。

この若年者納付猶予も学生納付特例と同様に本人と配偶者の所得の条件のみで、親元の所得の条件はありません。

該当するための条件ですが、前年所得(1~6月分までの保険料については前々年の所得)が下の金額以下かどうかで判断されます。

 

(扶養親族等の数+1)×35万+22万

 

やはりこの制度も該当すれば保険料は全額免除となります。

また学生納付特例と同様に

 

  • 受給資格期間には反映される
  • しかし将来の老齢基礎年金の金額には反映されない

 

というような扱いとなります。

 

国民年金保険料の免除の受給資格期間、年金額への影響

 

それぞれの免除制度における受給資格期間、年金額への影響は下のようになります。

 

 

失業による退職特例

 

通常の免除制度では上のように本人、世帯主、配偶者などの所得条件がりますが、失業したときには失業による退職特例という免除制度があります。

この特例を受ける条件は

 

  • 世帯主
  • 配偶者

 

の所得条件はそのまま必要となりますが、本人の所得条件がなくなります。

免除や猶予制度では前年所得を条件としているものの、通常失業となると前年所得はこのような条件を満たさないことが多いと思います。

そのために失業による退職特例では本人の所得を条件から外しているといえます。

 

失業による退職特例で必要な書類

 

この失業による退職特例を受けようと思えば市役所や年金事務所に以下の書類を持って申請をします。

 

  • 年金手帳
  • 退職日または社会保険喪失の確認ができるもの(雇用保険受給資格者証、離職票など)
  • 認印(ただし署名するときには不要)

 

ただし退職した企業が雇用保険未加入というときには離職票などは発行されません。

そのときには退職証明書でも通常は退職日の証明として扱ってもらえます。

退職日の記載がされているかどうかを確認し、手続きの際には携帯するようにしてください。

 

失業による退職特例の免除や猶予の判断基準!所得条件とは?

 

失業による退職特例では通常の免除、猶予の条件から本人の所得を抜くことだけが違います。

つまり

 

  • 適用の所得金額
  • 免除による保険料の減額
  • 免除、猶予制度の種類
  • それぞれの免除、猶予期間の受給資格期間への算入するしない、年金額への反映の度合い

 

などはまったく同じです。

 

失業による特例免除の期間は?いつまで免除を受けられる?

 

免除が適用となった後ですが、免除を受けられる期間も通常の免除制度と同様です。

つまり離職日の翌日の属する月からその月の属する年度の翌年度末までが免除されます。

それ以後も免除を受けたいときには年金事務所に再度手続きをしなければいけません。

 

失業による特例免除と配偶者、世帯主の所得

 

上のようにこの特例免除では配偶者や世帯主の所得も適用条件に含まれてきます。

通常市役所のほうではこれらの人の所得情報もあるので、それぞれの勤務する企業に所得証明を出してもらうというようなことは必要ありません。

配偶者や世帯主の前年所得が基準を超えていれば特例による免除も受けることはできないというのは特に通常の免除制度とは変わりありません。

 

国民年金の保険料が払えないときに注意して欲しいこと

 

私も経験がありますが、退職したときなどは特に保険料の支払いが厳しい状況になるということはよくあります。

この場合に放置しておいて就職活動に集中してしまう人もいますが、会社の厚生年金に加入していないような期間には国民年金に加入しなければいけません。

もしそうしていないときには国民年金の未納期間として後で通知が届きますし、さらに放置していると催告状も届くようになります。

 

国民年金の催告状が届いた!無視するとどうなるのか?

 

督促までされれば延滞金も発生しますし、差押えもある情勢となっているので保険料がしんどいと思えばすぐに免除申請も兼ねて年金基金に相談するようにしてください。

放置していれば一括納付しかできないようになることもあるので、より状況が悪化してしまうようにもなります。

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