今回は厚生年金の社員側の加入条件について紹介していきます。

加入条件もレアケースといったものもあるのですが、今回は質問の多くある珍しい加入条件についてまで言及したいと思います。

 

厚生年金の事業所の加入条件とは?

 

まず厚生年金の被保険者となるには厚生年金の適用事業所と雇用関係がないといけません。

 

  • 法人の事業所であって、常時従業員を使用するもの
  • 個人経営の適用業種の事業所であって、常時5人以上の従業員を使用するもの

 

厚生年金の会社の加入条件!法人形態、従業員数、業種ごとに解説

 

法人は適用事業所ということで株式会社はもちろん、有限会社やNPO法人なども例外とはなりません。

また企業規模の小さい中小企業、零細企業も適用となります。

 

厚生年金の従業員の加入条件とは?

 

厚生年金の強制加入となる条件というのは適用事業所に使用される70歳未満の者となります。

強制加入ということで本人の意思と関係なく加入義務があるとなるので注意してください。

 

厚生年金はいつから加入?年齢要件は?

 

厚生年金について何歳から加入するのかということですが、年齢要件については70歳未満といった上限しか定めはありません。

たとえば高校生、大学生といった未成年の段階でも厚生年金の適用事業所に就職して、3/4要件を満たす形で働くということも出てきます。

結論からいいますと未成年でもこのような条件を満たせば厚生年金加入義務があるというようになります。

未成年でも3/4要件、または週20時間以上といったパートの加入条件にも該当していくようであれば厚生年金の加入義務があると判断していきます。

 

未成年でも厚生年金加入?その加入条件とメリットとは?

 

パート、バイト、契約社員の厚生年金の加入条件とは?

 

ではパート、アルバイト、契約社員、派遣社員の厚生年金の加入条件はどのようなものとなるでしょうか?

 

  • 1週間の所定労働時間が正社員と比較して3/4以上であること
  • 1ヶ月の所定労働日数が正社員と比較して3/4以上あること

 

この2つの条件を満たせばパートなどでも厚生年金に加入義務があるとなります。

ただし

 

  • 1週間の所定労働時間が20時間以上あること
  • 継続して1年以上使用されることが見込まれること
  • 報酬の月額が8万8000円以上であること
  • 使用される事業所の労働者数が常時501人以上であること
  • 学生等でないこと

 

というすべての条件を満たせばやはりパートなどでも加入義務があるとなります。

8万8000円の報酬に含めないものとしては

 

  • 臨時に支払われる賃金
  • 1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金
  • 残業代、休日労働、深夜労働などに支払われる割増賃金

 

などがあります。

 

厚生年金の適用除外とは?

 

あと重要なこととして厚生年金の適用除外ということもあります。

 

  • 臨時に使用される者であって日々雇い入れられる者
  • 臨時に使用される者であって2ヶ月以内の期間を定めて使用される者
  • 所在地が一定しない事業所に使用される者
  • 季節的業務に使用される者(製茶、製穀、製粉、清酒醸造など)
  • 臨時的事業に使用される者(博覧会など)

 

ここで最も問題となるのは2ヶ月以内という2つめの除外要件です。

結論からいいますとこの要件を悪用したり、拡大解釈して調査のときに指摘されることが多いということです。

 

  • 正社員雇用であり、最初の2ヶ月を試用期間として有期雇用(パート、契約社員など期間の定めのあるすべての雇用形態)契約にして未加入とする
  • パートなど有期雇用(パート、契約社員など期間の定めのあるすべての雇用形態)契約を反復更新し、それぞれを2ヶ月以内の契約として未加入としていく

 

などというのはよく調査で指摘される箇所となります。

契約の書類でなく実態で判断されますので注意してください。

もし調査で指摘されれば2年前にさかのぼり加入するとなり、その間の厚生年金保険料の一括支払いが必要となります。

従業員がすでに退職していれば、従業員分も企業側に納付義務があるとされます。

 

役員の厚生年金加入条件とは?加入義務を解説

 

意外と多いのが役員についての厚生年金加入条件についての疑問ではないかと思います。

厚生年金では役員についても原則加入という扱いになっていますが、これに関して行政通達が出されています。

 

昭和24.7.28保発74

法人の理事、監事、取締役、代表社員及び無限責任社員等法人の代表者又は業務執行者であって、他面その法人の業務の一部を担任している者は、その限度において使用関係にある者として、健康保険及び厚生年金保険の被保険者として取り扱って来たのであるが、今後これら法人の代表者または業務執行者であっても、法人から、労務の対償として報酬を受けている者は、被保険者の資格を取得させるように致されたい。

 

  • 事業所に定期的に出勤しているか
  • 法人における職以外に多くの職を兼ねていないか
  • 役員会等に出席しているか
  • 役員への連絡調整または職員に対する指揮監督をしているか
  • 法人に対してどの程度意見を述べ、影響を与える立場にあるか
  • 法人からの報酬の支払いの実態(社会通念上労務の内容に相応したものであって実費弁償程度の水準にとどまっていないか)

 

この通達ではこのような箇所から役員の厚生年金の加入条件を判断するとされています。

 

日本年金機構「疑義照会回答」平成23年10月

定期的な出勤については、経常的な労務の提供を判断する一つの要素であり、本来法人の代表者としての職務は事業所に出勤したうえでの労務の提供に限定されるものではないことから、定期的な出勤がないことだけをもって被保険者資格がないという判断にはならない

 

役員に関しては定期的に出勤しないというだけで厚生年金に加入しにとはならないことも注意が必要です。

役員の加入条件は基準があいまいなところもありますが、詳しくは下のページを参考にしてほしいと思います。

 

役員と厚生年金!役員のみ、役員の加入条件、無報酬を解説

 

個人事業主と厚生年金の加入条件

 

ときどきあるのが個人事業主での厚生年金の加入条件というものです。

しかしこのページでも記載してきましたが、厚生年金というのは

 

  • 法人にする
  • 従業員数を5人以上にする

 

といったことが必要となります。

両方とも難しいというときには任意適用事業所になるという方法もありますが、

 

  • 認可を得ることが必要となる
  • 申請書類が通常よりも多くなる
  • 任意適用事業所では事業主とその同居する家族従業員も厚生年金に加入できない

 

というようになります。

大半が家族で、その厚生年金の加入を考えているのであれば任意適用事業所になる意味もありませんので、やはり法人にするといった方法が現実的ではないかと思います。

 

加入年齢70歳以上でも厚生年金に加入できる?

 

上でも記載しましたように厚生年金というのは70歳未満といった年齢要件があります。

では70歳以上で働くというときには厚生年金には一切加入できないのかといえばそうでもありません。

高齢任意加入被保険者になるという例外もあります。

 

  • 70歳以上の者であること
  • 老齢、退職を支給事由とする年金の受給権を有しない者
  • 保険料は企業と折半でなく、従業員が全額負担となる

 

保険料は企業が同意すれば折半負担ともできますが、企業次第なところもあります。

企業の担当者もあまり活用しないことの多い制度なので、実際に適用し、手続きをしていくというときには年金事務所に知識を聞いておくと良いでしょう。

 

厚生年金加入と国民年金との関係性

 

意外と知らない人も多いので念のために説明しておきますと厚生年金を企業でかけるということは同時に国民年金にも加入しているということを意味します。

国民年金は年金の1階部分で、厚生年金は2階となります。

つまり2階の厚生年金だけかけて、1階はかけないということは制度的にありえないわけです。

 

  • 個人事業主など 国民年金のみ
  • 会社員     国民年金と厚生年金を両方をセットで加入

 

というようになり、会社員の給与から天引きされる厚生年金保険料について

 

  • その中に国民年金保険料も含まれる
  • 扶養に入っている人がいればその配偶者の国民年金保険料も含まれている

 

というようになります。

最後に厚生年金に加入すれば配偶者を年金の扶養に入れることもできます。

 

国民年金の扶養条件!130万、106万の判断方法を解説

 

年収要件などがありますが、詳しくはこのページで解説しています。

扶養手続きも忘れて損しないようにしていきましょう。

<スポンサード リンク>