厚生年金の60歳から65歳までの間で支給される特別支給のものについては定額部分と報酬比例部分とに分けることができます。

年金の中でも大部分を占めるといっても良いこの報酬比例部分ですが、今回は報酬比例部分についてよくある質問についてまとめて解説したいと思います。

 

厚生年金の報酬比例部分とは?

 

報酬比例部分というのは60歳から65歳まで支給される特別支給の1つです。

 

 

この表のように報酬比例部分というのは要するに老齢厚生年金に65歳から移行していることからもわかりますように老齢厚生年金とほぼ同義と考えてください。

逆に定額部分というのは老齢基礎年金に相当し、国民年金部分の支給というように考えます。

 

厚生年金の報酬比例部分の計算方法

 

厚生年金の報酬比例部分の計算方法ですが、原則として

 

平均標準報酬額 × 5.481/1000(給付乗率) × 被保険者期間の月数

 

という式で計算します。

この報酬比例部分の計算方法の注意点としては

 

  • 平均標準報酬額とは、標準報酬月額と標準賞与額の合算額の1ヶ月平均額を指す
  • 平均標準報酬額は毎年再評価率によって改定される
  • 給付乗率は昭和21年4月1日以前に生まれた者については1000分の7.308~5.562までの間で読み替える経過措置がある
  • 被保険者期間の月数には上限はない

 

2003年4月前の被保険者期間の報酬比例部分の計算方法

 

2003年4月に総報酬制が導入され賞与についても厚生年金が天引きされるようになりました。

しかしそれ以前は月例給与だけに厚生年金をかけるようになっていたので、上の式で計算すれば不利になってしまいます。

そのため2003年4月前に被保険者期間のある部分については下の計算式で報酬比例部分を計算します。

 

平均標準報酬月額 × 7.125/1000(給付乗率) × 被保険者期間の月数

 

やはりこの平均標準報酬月額を用いた式での注意点がいくつかあって

 

  • 平均標準報酬月額とは2003年4月前の被保険者期間における標準報酬月額の1ヶ月平均額を指す
  • 平均標準報酬月額は毎年再評価率によって改定される
  • 給付乗率は昭和21年4月1日以前に生まれた者について1000分の9.5~7.23の範囲内で読み替える経過措置がある
  • 被保険者期間の月数に上限はない

 

2003年4月を挟んで厚生年金の被保険者期間のある人の報酬比例部分の計算方法

 

2003年の総報酬制の導入前とその後との両方に厚生年金加入期間のある人も多いわけですが、このときの報酬比例部分の計算方法とは上の2つの式の金額を合算したものとなります。

 

報酬比例部分の最高額とは?

 

報酬比例部分の最高額を目指すというときには

 

  • 厚生年金加入期間を長くする
  • 給与を60.5万以上は維持する

 

というようにし、つまりは報酬月額と加入期間をできるだけ多くすることで達成できます。

厚生年金は16歳から70歳というのがほぼ最長の加入可能期間ですが、中学卒業すぐに就職していかないといけませんので、現実的に最高額を達成する人はほぼ皆無といえます。

 

報酬比例部分の支給開始年齢とは?

 

報酬比例部分の支給開始年齢は生年月日によってグループ分けされています。

 

60歳から支給開始されるグループ

  • 男性 昭和28年4月1日以前
  • 女性 昭和33年4月1日以前

 

61歳から支給開始されるグループ

  • 男性 昭和28年4月2日~30年4月1日
  • 女性 昭和33年4月2日~35年4月1日

 

62歳から支給開始されるグループ

  • 男性 昭和30年4月2日~32年4月1日
  • 女性 昭和35年4月2日~37年4月1日

 

63歳から支給開始されるグループ

  • 男性 昭和32年4月2日~34年4月1日
  • 女性 昭和37年4月2日~39年4月1日

 

64歳から支給開始されるグループ

  • 男性 昭和34年4月2日~36年4月1日
  • 女性 昭和39年4月2日~41年4月1日

 

65歳から支給開始されるグループ

  • 男性 昭和36年4月2日以降
  • 女性 昭和41年4月2日以降

 

厚生年金の報酬比例部分の受給資格要件とは?

 

報酬比例部分の受給資格の要件ですが、

 

特別支給の報酬比例部分(60歳以降)

  • 1年以上の厚生年金保険の被保険者期間があること
  • 国民年金の老齢基礎年金の受給資格期間(10年)を満たすこと

 

原則支給の報酬比例部分(65歳以降)

  • 1年以上の厚生年金保険の被保険者期間があること
  • 国民年金の老齢基礎年金の受給資格期間(10年)を満たすこと

 

というようなものが必要とされます。

10年の受給資格期間ですが、

 

  • 厚生年金の加入期間
  • 国民年金を自分で払っていた期間(満額、免除、猶予期間を含む)
  • 合算対象期間

 

とを合計した期間が10年を満たせば良いとなります。

 

報酬比例部分と65歳以降の老齢厚生年金

 

冒頭の図のように報酬比例部分というのは65歳になると老齢厚生年金へと移行します。

しかしこの2つの金額は計算式も同じで変わりありません。

 

厚生年金の報酬比例部分が少ない!その理由とは?

 

ねんきん定期便などで報酬比例部分の支給想定額が記載されているということがありますが、予想していたよりも少ない金額になっているという人もいます。

このときにはいくつかよくある原因があるのですが、

 

  • 厚生年金基金に加入していた
  • 生年月日によって60歳からもらえるのは報酬比例部分だけの世代である

 

厚生年金基金というのは厚生年金の保険料を一部代行運用しています。

この代行部分はねんきん定期便には記載されないので、まったく同じ条件の人と比較して報酬比例部分の金額が少ないということも起きます。

 

  • 解散をしていて一時金をすでに受け取っている
  • 基金の解散で一部は企業年金連合会に移行され、連合会から年金受給ができる

 

というようになっているはずです。

この連合会からの年金支給の通知が届入れいればそれも合算すれば報酬比例部分の妥当額に近くなってくるかと思います。

また年金事務所に年金の支給額を聞きにいって少ないという質問も多いのですが、これは60歳から65歳までの報酬比例部分のみの金額を聞いて少ないと考える人が多いです。

65歳になれば国民年金の分も支給され倍ほどになるというケースも多いです。

もし不安であればまた年金事務所に行き、65歳以降の年金額もシュミレーションしてもらいましょう。

<スポンサード リンク>