最近は正社員でも副業をするという人もいますが、副業をすることで厚生年金など社会保険料がどのようになるのかということは気になるところではないでしょうか?

パート、アルバイト、契約社員といった短時間労働者である場合でも副業することは多いのですが、今回は副業と厚生年金などの社会保険について解説をしたいと思います。

 

副業と社会保険料増加の根拠条文

 

社会保険では副業について保険料が増加するのかどうかの根拠条文があります。

 

健康保険法第44条(報酬月額の算定の特例)

3、同時に二以上の事業所で報酬を受ける被保険者について報酬月額を算定する場合においては、各事業所について、第四十一条第一項、第四十二条第一項、第四十三条第一項、第四十三条の二第一項若しくは前条第一項又は第一項の規定によって算定した額の合算額をその者の報酬月額とする。

 

厚生年金法第24条(報酬月額の算定の特例)

2、同時に二以上の事業所で報酬を受ける被保険者について報酬月額を算定する場合においては、各事業所について、第二十一条第一項、第二十二条第一項、第二十三条第一項、第二十三条の二第一項若しくは前条第一項又は前項の規定によつて算定した額の合算額をその者の報酬月額とする。

 

副業について両方の法律では内容が同じになっています。

ポイントとしては

 

  • 複数の事業所で報酬を受けるときには収入を合算して、それを報酬月額とする
  • 被保険者について合算とあるので、加入条件を満たさない事業所の報酬は合算の対象とならない

 

というようなところになります。

 

副業しても厚生年金保険料が増えないパターンとは?

 

副業して社会保険料が増加しないパターンからまず見ていきましょう。

 

  • パート+個人事業主
  • バイト+個人事業主
  • 契約社員+個人事業主

 

このパターンを見るとわかりますように個人事業主は自分で国民年金や国民健康保険に加入していくわけで、社会保険の対象ではありません。

そのため個人事業主であれば社会保険の報酬月額の対象とならないということになります。

このようなときにはパートなど会社で社会保険をかける加入条件を満たしていれば、その社会保険料だけで良いということになります。

 

副業して厚生年金保険料が増えるパターン

 

では逆に副業することで厚生年金保険料が増えるパターンにはどのようなものがあるでしょうか?

勘の良い方であればもうわかっているかもしれませんが、要するに複数の事業所で社会保険の加入条件を満たすときになります。

たとえば

 

  • パート+パート
  • 正社員+パート、バイト、契約社員
  • 契約社員+パート、バイト、契約社員
  • 派遣+パート、バイト、契約社員

 

まずこのときに知るべきは社会保険の加入条件ですが、原則として

 

  • 1週間の所定労働時間が正社員と比較して3/4以上であること
  • 1ヶ月の所定労働日数が正社員と比較して3/4以上あること

 

この2つの要件を満たす人は正社員以外であっても社会保険の加入義務があるとなります。

また企業規模が大きいところでの短時間労働者については

 

  • 1週間の所定労働時間が20時間以上あること
  • 継続して1年以上使用されることが見込まれること
  • 報酬の月額が8万8000円以上であること
  • 使用される事業所の労働者数が常時501人以上であること
  • 学生等でないこと

 

この5つすべてを満たすときもやはり加入義務があるというようになります。

つまり上の副業で社会保険料が増えるケースについて紹介しましたが、要するに複数の事業所でこのような社会保険の加入条件を満たすときにはじめて収入を合算するので社会保険料が増えるということになるということです。

そのためたとえばパート+パートでも、どちらががこの社会保険の加入条件を満たさないときには片方だけで社会保険に加入すれば良いので特に保険料が増えるということもありません。

 

副業と社会保険料の計算方法

 

では副業で複数の事業所で社会保険加入となったときにどのような形で社会保険料を計算するのでしょうか?

 

  • A事業所 20万(社会保険の加入条件を満たす)
  • B事業所 15万(やはり社会保険の加入条件を満たす)

 

このようなケースをサンプルとしていきましょう。

この場合、収入をまず合算するので35万というのが報酬月額となります。

これをベースに標準報酬月額の等級を出し、それによって保険料を算出します。

 

副業と複数の事業所での社会保険加入の手続き

 

では副業で複数の事業所で社会保険に加入するというときに、実際にどのような手続きをしていく必要があるのでしょうか?

 

  • 本業の会社を管轄する年金事務所に「健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」を自分で提出
  • 年金事務所から、それぞれの会社に社会保険料の金額の通知が行われる
  • それぞれの会社で、毎月の給料から社会保険料の天引きが行われて納付される

 

ちなみに雇用保険料は本業の企業でのみ天引きされます。

このように副業では自分で手続きしなければいけないところも出てくるので、やや面倒といっても良いかもしれません。

 

社会保険料で副業はバレる?バレない?

 

最近は副業OKの企業も多くなってきましたが、まだまだ良い顔をしないところも多いと思います。

このときに社会保険料によって副業が本業企業にバレてしまうのではないかということが気になるのではないでしょうか?

 

  • 副業先で社会保険に加入しないときにはまずバレない
  • 副業先でも社会保険に加入するときもバレない
  • ただし副業が自分で法人設立するときには社会保険料が変わるのでバレる

 

副業に関しては自分で法人を設立しない限りはそうバレるものではないといって良いでしょう。

 

副業と社会保険の未加入、未納はバレるのか?

 

副業では働き方や雇用形態によって社会保険に加入しなければいけないのかが変わってくることになります。

ときどきあるのが副業先で社会保険の加入義務を満たすのに手続きをしていないという人です。

まずバレないだろうと思っていくわけですが、結論からいいますと昔よりも格段にバレやすくなっているといえます。

 

  • マイナンバー導入によって副業先の収入も紐づきやすくなっていること
  • 年金機構の徴収機能も強化されていること

 

副業で社会保険の不正が見つかると消滅時効2年分の保険料が一括徴収されることが多いです。

罰則もあるので必ず必要な加入であれば手続きを行うようにしておきましょう。

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