厚生年金には在職老齢年金という制度があります。

働いているときに老齢厚生年金を受けていると、一定額を超える収入があれば年金が減額されたり、支給停止されるという制度となります。

 

3種類ある在職老齢年金

 

在職老齢年金というのは年齢に応じて3つの種類にわけられています。

 

60歳代前半の在職老齢年金

  • 報酬と年金額との合計額が28万円超の場合に調整される

 

60歳代後半の在職老齢年金

  • 報酬と年金額との合計額が46万円超の場合に調整される

 

70歳以上の在職老齢年金

  • 報酬と年金額との合計額が46万円超の場合に調整される

 

在職老齢年金で関係してくる重要な用語の定義

 

まず在職老齢年金について用語でいくつか重要なものがあるので先に紹介しておきます。

 

総報酬月額相当額

  • 調整の対象となる月における標準報酬月額とその月以前1年間の標準賞与額の総額を12で除して得た額とを合計した金額

 

基本月額

  • 老齢厚生年金の額(加給年金は除く)を12で除して得た金額のこと

 

60歳代前半の在職老齢年金

 

60歳代前半の在職老齢年金については、総報酬月額相当額と基本月額との合計額が28万円を超えるときに調整が行われます。

この60歳代前半の在職老齢年金による支給停止額の計算方法は下のようになります。

 

 

60歳代後半の在職老齢年金

 

総報酬月額相当額と基本月額との合計額が46万円をこえるときに調整されます。

60歳代後半の在職老齢年金の支給停止額ですが、

 

(総報酬月額+基本月額―46万円)×1/2

 

で出てくる金額が支給停止されます。

 

70歳以上の在職老齢年金

 

厚生年金は70歳未満の人が加入すると通常なります。

そのためこの70歳以上の在職老齢年金が適用されるのは高齢任意加入をするようなときなどが該当してきます。

ただしそのときでも

 

  • 適用事業所に使用される者であること
  • かつ適用除外に該当しないこと

 

という両方の条件を満たさないと70歳以上の在職老齢年金の対象とはなりません。

この70歳以上の在職老齢年金の支給停止額ですが、60歳代後半のものと同じになっていて

 

(総報酬月額+基本月額―46万円)×1/2

 

で出てくる金額が支給停止額となります。

 

在職老齢年金のポイント

 

在職老齢年金というのは特に支給停止になるのかどうか、またなるとしてその支給停止額がいくらになるのかという計算方法が難解です。

しかしその他にも注意して欲しいこともあります。

 

60歳代前半の在職老齢年金のみのポイント

  • 定額部分も調整対象となる

 

すべての在職老齢年金に共通のポイント

  • 加給年金は調整の対象外となる
  • ただし年金額が全額支給停止となるときには加給年金も全額支給停止となる

 

60歳代後半と70歳以上の在職老齢年金のポイント

  • 国民年金の老齢基礎年金は調整対象外となり、全額支給される
  • 経過的加算額、繰下げ加算額は調整対象外となる

 

加給年金、老齢基礎年金など在職老齢年金の対象外となるものもあるというようになっています。

 

加給年金とは?要件、配偶者加算、繰下げの注意点まで徹底解説

 

在職老齢年金の早見表

 

在職老齢年金の支給停止額の計算は困難ですので、早見表を紹介します。

 

 

 

在職老齢年金で調整対象とならないものについて

 

在職老齢年金についていくつか間違えやすい調整対象とならないものについても列挙してきます。

 

在職老齢年金の対象外となる収入

  • 厚生年金に加入しない状態で勤務しているときの報酬
  • 家賃収入など不動産所得
  • 利子所得
  • 配当所得
  • 譲渡所得
  • 一時所得
  • 山林所得
  • 個人年金
  • 公社債の償還差益

 

老齢年金ではないので在職老齢年金の対象外となるもの

  • 障害年金
  • 遺族年金

 

このようなものは在職老齢年金の調整では対象外となります。

意外と対象外の所得が多いことがわかります。

たとえば家賃収入がいくらあっても年金との老齢厚生年金との調整は一切行われないということになるということです。

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