今回は厚生年金の特定適用事業所について解説していきます。

まだ新しい制度なので、あまりなじみのない制度といっても良いかと思います。

 

厚生年金の特定適用事業所とは?

 

2016年に健康保険、厚生年金の適用拡大の改正が行われました。

これによって

 

  • 1週間の所定労働時間が正社員と比較して3/4以上であること
  • 1ヶ月の所定労働日数が正社員と比較して3/4以上あること

 

この両方の条件を満たせば従来は社会保険の加入義務があるとされていたものが、加入条件が広く設定されました。

 

  • 1週間の所定労働時間が20時間以上あること
  • 継続して1年以上使用されることが見込まれること
  • 報酬の月額が8万8000円以上であること
  • 使用される事業所の労働者数が常時501人以上であること
  • 学生等でないこと

 

適用拡大によってこの5つすべての条件を満たす短時間労働者についても社会保険の加入義務を満たすというようになっています。

今回の特定適用事業所というのはこの同一事業主(法人の場合は法人番号が同一)の適用事業所の被保険者数(短時間労働者を除き、共済組合員を含む)の合計が、1年で6ヶ月以上500人を超えることが見込まれる法人と個人の事業所のことを指します。

つまり適用拡大によって週の所定労働時間が20時間以上あることで加入させていく必要のある事業所というようにもいえます。

 

厚生年金の任意特定適用事業所とは?

 

特定適用事業所とともに任意特定適用事業所という概念も生まれました。

これは2017年の短時間労働者の適用拡大によって生まれた概念です。

 

  • 常時500人以下の法人・個人の事業所であること
  • 労使の合意(社会保険に加入に関して、働いている方々の1/2以上と事業主との合意)により社会保険適用の申出がなされた事業所

 

というのが任意特定適用事業所の概念となります。

特定適用事業所は要件を満たすと自動的に社会保険の加入者が出てくるのですが、任意特定適用事業所については適用の申出や合意が要件となるのでそう出てくる企業もないかと思います。

 

特定適用事業所に該当したとき、該当しなくなったときの手続き

 

適用事業所から特定適用事業所に該当するようになったときは、事業主は5日以内に健康保険・厚生年金保険特定適用事業所該当・不該当届を年金事務所か健康保険組合に提出しなければいけません。

この特定適用事業所への要件を満たすかどうかは実務では厚生年金被保険者数で判断するので、手続きとしては

 

  • 年金事務所に提出
  • その後に健康保険組合にも提出

 

というように考えていきます。

逆に常時500人の厚生年金被保険者数を超えなくなったときでも、すぐに特定適用事業所から外れるというわけではなく継続して特定適用事業所として扱われます。

 

  • 被保険者の4分の3以上の同意がまず必要
  • その上で健康保険・厚生年金保険特定適用事業所該当・不該当届の提出も必要

 

ということでこのような条件を満たさないと不該当にならないというようになっています。

 

特定適用事業所の501人の判断基準

 

501人というのもどのように判断するのかということも意外とよくわからないところかと思います。

 

  • 1週間の所定労働時間および1ヶ月の所定労働日数が通常労働者の3/4以上の者が501人以上かどうかで判断する
  • 週20時間以上といった適用拡大の条件にだけ該当する者はカウントしない

 

つまり従来の3/4要件に該当する者が501人以上かどうかで特定適用事業所になるのかどうかを見るということです。

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